2017年2月15日(水)16時20分

不朽の名作『キャプテン』の“続編”を名手・コージィ城倉が描く新連載がGJ9号からスタート!!担当編集にその誕生秘話を聞く!

1972年から「月刊少年ジャンプ」で連載された『キャプテン』と、そのスピンオフで1973年から「週刊少年ジャンプ」で連載された『プレイボール』。
故・ちばあきお先生が描き、野球マンガの中で不朽の名作と呼ばれるこの2作の“続編”が、38年の時を経て復活! 4月5日(水)発売の「グランドジャンプ」9号から、新連載がスタートすることが明らかになった。

新連載の発表が行われたのは、2月15日(水)発売の「グランドジャンプ」6号。ちばあきお先生の早世により未完となっていた『プレイボール』の“その後”を、野球マンガの名手であるコージィ城倉先生が描くスペシャルな企画となる。

コージィ城倉先生は、『おれはキャプテン』(週刊少年マガジン連載・講談社)、『グラゼニ』(森高夕次名義/週刊モーニング連載・講談社)をはじめ、本格派、かつユニークな野球マンガを世に送り出してきた大人気マンガ家だ。

ちば作品を心底愛し、尊敬する城倉先生は、連載終了から約40年を経て愛される名作の新たなエピソードをいかに描くのか? 今回の「登板」にあたり、城倉先生は「グランドジャンプ」に以下のようなメッセージを寄せている。

新機軸は打ち出しません。
コンセプトは「何も足さない。何も引かない」。
ちばあきお先生が生きていたら
おそらくこんなカンジで描いたのではないのだろうか…
というテイストを“再現”してみたい。

3年生になった谷口キャプテン率いる墨谷高校野球部に、丸井、イガラシの元墨谷二中メンバーが加わり、夏の甲子園出場に向けて本格的に始動する――。そんな、期待高まる場面で連載が止まっていた『プレイボール』。最後のシーンでは、墨高野球部は強豪・谷原高校との練習試合で完膚なき敗北を喫したが、谷口たちは心折れることなく、さらに強くなるために走り出していた。

『プレイボール』集英社文庫版 11巻
『プレイボール』集英社文庫版 11巻より
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城倉氏による熱い「ちば作品」へのリスペクトを込めて描かれる新章で、谷口たちはどのように夏の甲子園に挑むのか。かつて『キャプテン』に心を熱くした人も、その魅力にこれから触れる人も、4月から始まる38年ぶりの新連載に注目してほしい。

驚きの復活の経緯を、担当編集に直撃!

今回は特別に雑誌「グランドジャンプ」で本作の編集を担当する、副編集長の増澤さんにお話をうかがった。

――今回の『キャプテン』復活には、どういった経緯があったのでしょうか。

「グランドジャンプ」は読者の中心が30代、40代で、集英社のマンガ誌でいちばん年齢層が高い青年漫画誌です。ちばあきお先生が「月刊少年ジャンプ」で『キャプテン』を連載していたころのリアルタイムの読者も多く、昨年の夏ぐらいから2018年に「週刊少年ジャンプ創刊50周年」という節目を迎えるにあたって、“ちばあきお先生の作品でも何か企画ができないか”という話が最初はおぼろげながらありました。幸い、ちばあきおプロダクションさんにもご賛同をいただけて、『キャプテン』『プレイボール』という名作をもっと広く、若い人にも読み継いでもらうための企画が本格的に始動することになったんです。

その一方で、城倉先生とも「グランドジャンプ」で何かお仕事をしていただけないか、ご相談させていただいていて。もともと城倉先生は『おれはキャプテン』という作品を描いていることからわかるように『キャプテン』が大好きで、ちばてつや先生、ちばあきお先生、七三太朗先生ご兄弟の「ちば作品」をすごく愛している方なんですよね。そんな流れから、城倉先生から「『キャプテン』の続きを描くなんて面白い仕事ができるなら、ぜひやってみたい」とおっしゃっていただけたんです。そこからはトントン拍子に話が進みまして、ちょうど2017年はWBCも開催されますし、じゃあ球春到来ということで、春から連載を始めましょう! ということになったんです。本当に、タイミングよく歯車が噛み合ったことで実現した企画ですね。

――『プレイボール』の続きがそのまま描かれるとのことですが、主人公や舞台を変えようというお話はなかったのでしょうか。

実は、僕自身は当初、『プレイボール』の何十年後かに、谷口が監督やコーチとなって墨高の若者たちを指導する内容を提案しました。時代設定もありましたし、まさかあの続きをそのまま、、、という考えは正直なかったんです。ですが打ち合わせを重ねる中で、城倉先生から「せっかくやるなら“スピンオフ”ではなくちゃんとした“続編”を描けないだろうか」という話をいただいたんです。

『キャプテン』『プレイボール』連載時、城倉先生も現役の読者としてリアルタイムで両方の作品を読んでいて、連載が終わったことがとても残念だったそうです。それで、今回の話を受けたときに「ちばあきお先生がもしご健在で作品が続いていたらこうなったのでは?」と、自分なりに想像して描いてみたいという想いが出てきたということでした。

最初にそれを聞いた時は「それはちょっとハードルが高いのでは…?」と思ったのですが、城倉先生自身もそれは重々承知の上でチャレンジしたいとおっしゃって。僕自身も大好きな作品ですから、もし本当にあの続きが読めるのなら嬉しいし、面白そうだと思ったんですよね」

――名作復活を手がけるにあたって、いろいろプレッシャーやご苦労もありそうですが。

元は約40年前の作品で、表現も今のマンガの文法とはまた違っていますから……。新しく連載するにあたって、第1話となる導入部をどうするかなど、城倉先生のほうでいろいろ悩みながら、制作を進めていただいています

――故ちばあきお先生の関係者の皆様からも反応があったのでは?

今回『プレイボール』の続編をやると決まったとき、まず最初に城倉先生と一緒に、ちばあきお先生の奥様と、お兄様のちばてつや先生、弟さんの七三太朗先生それぞれにご挨拶に伺いました。

ちばてつや先生もかつてご自身で『キャプテン』『プレイボール』の続きを描けないかとチャレンジされたことがあったそうですし、七三太朗先生はちばあきお先生と一緒に作品を作ったりもしていた方ですから、「今回のお話を持っていって“だったら自分が描くよ”と仰られたらどうしよう?」と、城倉先生も自分も少しドキドキしていました(笑)

結果は、お話の内容も含めて快くこちらに一任していただけて、むしろ「城倉さんのマンガにしたほうがいいよ」と言っていただけたくらいでした。でも城倉先生は「いや、あの続きが描きたいんです」と、先生方にその場で構想を説明されていましたね。4月から連載が始まることもお伝えしたところ、「楽しみにしています」という前向きな言葉をみなさんからかけていただきました。ホッとしましたし、嬉しかったです。期待に応えられる作品にしたいですね。


4月5日(水)に発売される「グランドジャンプ」9号では、新たな『キャプテン』が掲載されることに加えて、城倉先生がこの作品にかける想いを語るインタビューも掲載予定。ぜひ合わせて読んでおきたい!

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また、今回の発表が行われた2月15日(水)発売の「グランドジャンプ」6号では、3月に開催される「2017 World Baseball Classic」開幕と『キャプテン』復活を記念し、「侍ジャパン×キャプテン コラボピンナップ」をとじ込み付録として収録! ほかにWBC第1ラウンドのチケットや特製グッズが当たるプレゼント企画も行われ、プロ野球&野球マンガファンはぜひこちらもチェックしよう!

続編が始まる前に、『キャプテン』と『プレイボール』をもう一度おさらい!

さてここからは、『キャプテン』と『プレイボール』を読んだことのない人に向けて、両作品のおさらいをしておこう。

『キャプテン』

まずは『キャプテン』から。物語は全国中学野球の名門、青葉学院から2年生の谷口タカオが墨谷二中へと転校してくるところから始まる。
青葉野球部で二軍の補欠だった彼は、墨谷二中でも野球部に入部。実力不足にも関わらず名門からの転校生としてちやほやされ、当初は苦しむが、自ら必死の努力を重ねることでその評価に見合う実力を身に着け、先代キャプテンから次のキャプテンに指名される。

文庫版『キャプテン』1巻
文庫版『キャプテン』1巻より。次のキャプテンに指名されたことに驚き、辞退しようとする谷口。だが、前キャプテンは彼の陰の努力を察し、評価していた。
文庫版『キャプテン』1巻
文庫版『キャプテン』1巻より。ヘタクソだったノックも、懸命の特訓で習得。自らを甘やかさない谷口のひたむきさが、チームメイトを変えていく。

谷口は持ち前の真面目な性格で、試合の中でひたむきに勝利を目指すことを決め、自らに厳しい特訓を課しつつチームを率いていく。そんな谷口の姿に感化されたチームメイトもまた彼の厳しい特訓に耐え、墨谷二中は強豪校へと成長。ついには青葉学院を打ち破るに至る……というのが谷口キャプテン編のストーリーだ。

文庫版『キャプテン』3巻
文庫版『キャプテン』3巻より。中学最強クラスの実力を持つ青葉学院との対戦。選手層の薄さから満身創痍の墨谷ナインだが、決して勝ちを諦めない。

『プレイボール』

『キャプテン』のスピンオフとして生まれた『プレイボール』。青葉学院との試合で指を骨折し、ボールが投げられなくなったことにより、野球の道を諦めようとしていた谷口。墨高に入学した彼は心機一転サッカー部に入部するが、野球への情熱を抑えることはできず、改めて野球部へと入部する。

文庫版『プレイボール』1巻
文庫版『プレイボール』1巻より。サッカー部に入部し、持ち前の根性で活躍を期待された谷口。しかし、彼の野球への熱い思いを察したサッカー部の部長は、谷口に野球部への入部を薦める。

谷口が入部するまでは、弱小チームにありがちなやる気のなさが目立った墨高野球部。だが、ボールがうまく投げられないというハンデを負いつつも、持ち前の情熱と努力で野球と向かい合う谷口の姿勢がメンバーに“熱さ”をもたらし、チームも変わっていくことになる。

文庫版『プレイボール』1巻
文庫版『プレイボール』1巻より。
谷口が途中出場し、5年ぶりの公式戦初勝利を飾った墨高。谷口が曲がった指でボールを投げられるようになったことを、キャプテンの田所は自分のことのように喜ぶ。

両作品の魅力をあえてひとつ挙げるなら、あまりにも真っ当な「スポ根」であるという点だ。特別な取り柄も持たない、ひとりの補欠だった少年がひたすら努力して実力を身に着け、周囲の仲間とともに勝利をつかむ。誕生から約40年を経た今も、その少年マンガの王道ともいえる面白さは古びず、谷口たちの苦闘と活躍は、読む度に読者の胸を踊らせてくれる。

現在、両作品は文庫化&デジタル化されており、『キャプテン』が全15巻、『プレイボール』は全11巻が発売中。手軽に読めるデジタル版も同巻数で発売されている。

また3月10日(金)からは、集英社ジャンプリミックス版の『キャプテン 1 ①ほやほやキャプテン編』が、全国のコンビニ等で販売スタート。読み応えたっぷりの大ボリュームで、谷口の活躍を楽しみたい人は注目してほしい。

集英社ジャンプリミックス発売予定ページ

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