2017年6月23日(金)17時00分

祝! オープン1周年! Webコミックサイト「ふんわりジャンプ」の今の“ふんわり”具合はどんなもん?編集長に特別インタビューを敢行!

“日常系テーマを等身大にゆるゆるっと描く”Webコミックサイト『ふんわりジャンプ』が、6月23日(金)にオープンからめでたく1周年を迎えました!

“「ジャンプ」の名を冠しているのに、バトルもなければ、ドキドキのラブコメもない!”という驚くべき(?)作品ラインナップで話題を博した「ふんわりジャンプ」。今年3月からは待望のコミックス発売も始まり、ますます注目が高まりそうな気配です。

“集英社の新しい挑戦”として始まったサイトのオープンから1年が経ち、「ふんわりジャンプ」連載作品も、最初の23作品から25作品(2017年6月23日現在)にゆる~っと増加。その間に入れ替わった作品もあり、オープン当初と現在ではまた少し雰囲気が変わってきた気もするような……?

そこで今回は、「ふんわりジャンプ」オープン1周年を記念して、清宮徹編集長を直撃! 今人気の連載作品から、1年間のサイト運営の中で起きた変化、苦労話など、「ふんわりジャンプ」の気になるアレコレをお聞かせいただきました!

オープンから1年! 変わらず「ふんわり」してますか?

――「ふんわりジャンプ」もオープンから1年が経ちました。当初から他の「ジャンプ」系Webコミックサイトと雰囲気が違うサイトですが、調子はいかがですか?

清宮:もともと「ふんわりジャンプ」は、「週刊少年ジャンプ」や「ヤングジャンプ」のような、紙中心の雑誌では埋もれてしまいやすいけれど、Web上では人気の高い「日常系・共感系」の作品を扱いたいという、集英社の新しい試みとして立ち上がったサイトです。
現在はオープンから1年が経ちまして、認知度も順調に上がっており、連載作品のコミックスも発売されました。そこでさらに知名度を上げてPVを増やし、さらにコミックスが売れるという、“いい回転”になるように頑張っているところです。

――3月から発売が始まったコミックスの感触はいかがでしょうか。

清宮:『ごほうびおひとり鮨』(王嶋環×早川光)は評判が良く、電子版も紙も好調です。ただ、紙と電子版で同時発売した作品でも、売れ方にはそれぞれバラつきがある感じで。作品のタイプによっても違いがあり、我々も初めての経験なので見極めながらやっている感じです。

『ごほうびおひとり鮨』(王嶋環×早川光)

『ごほうびおひとり鮨』(王嶋環×早川光)

ちょっと贅沢な“お鮨”の魅力に目覚めた、アラサーOLの藍子の体験を描く、心癒されるお鮨屋さんの物語。取材した実在店の紹介&早川光コラムページもセットで掲載!

『ごほうびおひとり鮨』(王嶋環×早川光)

――さまざまな作品を掲載してみて、気付かれたことも多そうですね。

清宮:SNS出身の作家さんの作品だと、生活の中で感じるささやかな幸せや、ペットとの触れ合いのような、日常のひとコマを描いた作品が人気を集めやすく、そうしたものが紙でも売れるのかなと思っていたんです。でも、やってみると意外にそうでもないなと。

例えば「ふんわりジャンプ」の連載作品だと、『ぼくたちLGBT』(トミムラコタ)とか、“毒親”と呼ばれる家族から脱出しようとした経験を持つ作家さんの実体験を描いた『毒家脱出日記~親が苦手じゃダメですか?~』(春キャベツ)みたいな作品があります。そうした、読者がなかなか自分では体験できない、個人が抱えるシリアスな問題や体験を題材にした作品のほうが、「ふんわりジャンプ」だと反響が良い感じです。

『ぼくたちLGBT』(トミムラコタ)
『ぼくたちLGBT』(トミムラコタ)

自身もバイセクシュアルである作者が、その経験や取材を通じて、LGBTの恋愛事情や生活を生き生きと描きだすエッセイコミック。

『ぼくたちLGBT』(トミムラコタ)

『毒家脱出日記~親が苦手じゃダメですか?~』(春キャベツ)
『毒家脱出日記~親が苦手じゃダメですか?~』(春キャベツ)

束縛、価値観の押し付け、人格否定…子供の毒になる親=“毒親”。作者の実体験をもとに、“毒親”からの脱却と、新たな自分の家族を築くまでを描くリアリティコミック。

『毒家脱出日記~親が苦手じゃダメですか?~』(春キャベツ)<

――題材としてみると、あまり「ふんわり」ではなさそうにも思えますね。

清宮:どちらもシリアスな題材を扱っているんですが、作家が自身のことを冷静に分析して、あくまでポジティブに描いている。そのおかげで、「ふんわりジャンプ」らしい、ユルさを備えた作品になっていると思います。

先日コミックスが発売された『33歳漫画家志望が脳梗塞になった話』(あやめゴン太)も、若くして脳梗塞になったという、本人にしかわからないシリアスな体験をユーモラスに描いた作品です。こちらも注目度が高いですね。

『33歳漫画家志望が脳梗塞になった話』(あやめゴン太)
『33歳漫画家志望が脳梗塞になった話』(あやめゴン太)

昼は会社で働き、夜は描き。そんな漫画家志望の女性が突然脳梗塞に! その体験を描いたポジティブ闘病エッセイが読者の共感を呼び、ネットで非常に話題を集めた。「ふんわりジャンプ」連載作品では、SNSで発表されたものを全編リメイクし、新エピソードも追加されている。

『33歳漫画家志望が脳梗塞になった話』(あやめゴン太)

「ふんわりジャンプ」が今オススメする作品はコレだ!
――ここで改めて、今「ふんわりジャンプ」がプッシュしている作品を教えてください。

清宮:すでにお話した作品以外では、ヤマモト喜怒先生の『ヒゲ母ちゃんと娘さん』は、開始以来PV数でも1位を獲得している人気作です。非常に個性的な育児もので、リアルな育児生活を描いているのですが、キャラクターのインパクトが今までの育児ものとは一線を画していて、その落差が受けていますね。また、同じ育児ものの『おもち日和』も人気です。作者の吉本ユータヌキさんは、もともとTwitterで活躍されている方で、こちらはパパ側からの視点で描かれていて、今度コミックス第1巻も発売になりました。

『ヒゲ母ちゃんと娘さん』(ヤマモト喜怒)
『ヒゲ母ちゃんと娘さん』(ヤマモト喜怒)

Twitterでも圧倒的支持を集めた育児レポートマンガ。パワフルな娘さんの子育てに、パンツ一丁、ヒゲで筋骨隆々な母ちゃんが奮闘! たくましき子育ての世界にようこそ…!!

『ヒゲ母ちゃんと娘さん』(ヤマモト喜怒)

『おもち日和』(吉本ユータヌキ)
『おもち日和』(吉本ユータヌキ)

Twitterでも大人気の現役サラリーマン作家・吉本ユータヌキ先生のふんわり育児エッセイ。愛娘のおもちちゃんを中心にした、家族の楽しい日々にほっこりさせられる作品。

『おもち日和』(吉本ユータヌキ)

清宮:他に少し変わったところだと、綾乃かずえ先生の『年の差夫婦はじめました。』は、29歳差のカップルというなかなか体験できない夫婦生活を描いた実体験ルポとして人気です。また、作家自身が自分の“恋活”を描く佐藤ダイン先生の『僕に彼女が出来るまで』も男性読者からの注目が集まる「ふんわりジャンプ」ではちょっと珍しい作品です。

『年の差夫婦はじめました。』(綾乃かずえ)
『年の差夫婦はじめました。』(綾乃かずえ)

旦那・康治(こうじ)57歳、妻・かずえ28歳。干支が2周り以上も違う2人の、結婚するまでと、結婚してからのエピソードを描く、仲良し年の差夫婦エッセイ。

『年の差夫婦はじめました。』(綾乃かずえ)

『僕に彼女が出来るまで』(佐藤ダイン)
『僕に彼女が出来るまで』(佐藤ダイン)

“本人に彼女が出来たら即連載打ち切り! 終了してほしいマンガ第1位!”という異色の“恋活”実体験マンガ。恋に向かって奮闘する佐藤先生の姿に共感する男性読者が増加中。

『僕に彼女が出来るまで』(佐藤ダイン)

清宮:もうひとつ、コニシリュウイチ先生の4コマギャグ作品『言ったよきいちゃん!アンバンナブル』も、「ふんわりジャンプ」だと逆に珍しい完全フィクション作品ですので、注目していただけると嬉しいです。

『言ったよきいちゃん!アンバンナブル』(コニシリュウイチ)
『言ったよきいちゃん!アンバンナブル』(コニシリュウイチ)

神出鬼没のギャグ作家コニシリュウイチが贈る、OLのお仕事応援4コマ。人の話をまるで聞かない大胆不敵な中途入社OL、きいちゃんの勤務実態を探る!

『言ったよきいちゃん!アンバンナブル』(コニシリュウイチ)

――先ほど出た『ごほうびおひとり鮨』を筆頭に、食を扱う作品も多いように感じますが。

清宮:人間、食べないと生きていけないですから。人の生活に直結していて、かつ小さな幸せや喜びにもつながる題材なので、読者の共感を呼びやすいんですよね。圧倒的に興味を持たれる方が多くて反響もいいので、そこは力を入れています。

――「ふんわりジャンプ」の食マンガは、どういった層に向けられているんでしょう。

清宮:「ふんわりジャンプ」は読者の半数以上が25~35歳で、さらに女性が7割近くを占めるんです。ですから食マンガに限らず、基本的にはその層の人たちに狙いを定めていますね。食マンガの場合は、料理を美味しそうに描くのにテクニックも必要ですし、プロ経験がある作家さんに“こういった題材はどうですか”と相談し、取材をしたうえで実際に体験したことを活かして描いてもらう作り方でやっているものが多いです。

実際に『玉子の毎週BBQ!』などは、女性の作家さんに実際にバーベキューを体験してもらって、それを作品の中に落とし込んでもらい、読者が共感できるような作品にすることを目指しています。

『玉子の毎週BBQ!』(奥西チエ・たけだバーベキュー)
『玉子の毎週BBQ!』(奥西チエ・たけだバーベキュー)

引っ込み思案で人見知り、だけど友達や恋人が欲しい…。そんな草食系女子・玉子が、得意のバーベキューを武器(?)に新たな出会いを求めて奔走! バーベキューでのお役立ち知識もマンガでわかる!

『玉子の毎週BBQ!』(奥西チエ・たけだバーベキュー)

――最後に、2年目を迎えた「ふんわりジャンプ」の抱負をお聞かせください。

清宮:集英社として初めての取り組みなので、まだまだ試行錯誤中の「ふんわりジャンプ」ですが、今後も読者の皆さんが“共感できる作品”をコンセプトにしつつ、世の中にちょっと一石を投じるような、多くの方に反響をいただける作品を発掘し、送り出していきたいと思います。“身近にもこういう世界があるんだ、こんな体験があるんだ”ということを、等身大の目で感じていただける作品に焦点をあてていきたいです。

オープン2年目に突入する「ふんわりジャンプ」。今回清宮編集長から紹介していただいた作品以外にも、“ふんわり”風味なのに、目の付けどころが新しい作品が多数連載中です。ぜひ一度、サイトをご覧ください!

文章/TAK

関連情報/外部リンクはこちら

©王嶋環・早川光/集英社
©トミムラコタ/集英社
©春キャベツ/集英社
©あやめゴン太/集英社
©奥西チエ/集英社
©ヤマモト喜怒/集英社
©吉本ユータヌキ/集英社
©綾乃かずえ/集英社
©佐藤ダイン/集英社
©コニシリュウイチ/集英社