2017年8月25日(金)20時30分

小花美穂が制作秘話を明かす!?SPインタビュー!&『Honey Bitter』のここが面白い!

「クッキー電子版」にて連載中の『Honey Bitter』、ファン待望1年ぶりの新刊・13巻がついに本日発売!!

作者の小花美穂先生は、94年に連載開始した『こどものおもちゃ』で話題をさらった「りぼん」代表作家のひとり。

『Honey Bitter』

『Honey Bitter』は、“人の心が読める”という超能力を持った少女・珠里が、親や人にも疎まれたその力を糧に成長していく様子を描いた物語。珠里たちが直面してきたさまざまな事件の中でもひときわシリアスな事件が、今回佳境を迎えます。

珠里・吏己たちの運命は―!?

↑テロリスト集団に、200人の命と代わる人質として呼び出された珠里・吏己たちの運命は―!?

最新巻発売を記念いたしまして今回は、作者・小花美穂先生スペシャルインタビューを実施!!『Honey Bitter』の誕生秘話から、著者の体当たり取材体験談、『こどものおもちゃ』のあのキャラたちのその後…などなど、ここでしか聞けないような話をお聞きしました。

小花美穂先生SPインタビュー!

――『Honey Bitter』の構想はいつからあったのでしょうか。作品がどんな想いから誕生したものなのか、またそもそもの発想のきっかけについてなど教えてください。

小花美穂先生(以下・小花):構想は、りぼんからクッキーに移って連載が決まった頃からなので、長くはないです。ダブルヒーローを描きたい、という発想から話を組み立てました。当時のクッキーはリアルなヒーローが多かったので、あえて少女漫画っぽいヒーローを描きたいと思いました。
探偵要素は、前からチャレンジしてみたかったので入れてみました。

――その“探偵要素”ですが、変装や尾行など、作中で探偵の調査テクニックについての描写が非常にリアルです。その取材として3ヶ月間探偵学校に通われたそうですが…いかがでしたか!?

小花:探偵学校では地道な演習が多かったので、エピソードとしては面白くないかもしれません。コツコツと探偵術を修行しました。自分の歩幅でどれだけ歩くと何メートルかをわかるようにする訓練とか、張り込みや尾行、写真テクなど。外国人専門のインターネットカフェでの張り込みは、ガラがよろしくない所だったので、ちょっと怖かったです。

探偵学校入所時のエピソード

↑探偵学校入所時のエピソードは、『Honey Bitter』12巻にもエッセイ漫画として収録されています♪

――『こどものおもちゃ』の主人公・紗南のモデルは元同級生の方とのことでしたが(『Deep Clear』あとがきより)、『Honey Bitter』の主人公、珠里たちにもモデルがいるんでしょうか?

小花:モデルは特にいません。珠里は、当初の予定は、男達を振り回す小悪魔系で、気だるい二重人格の予定でした。りぼんじゃなくてクッキーなら、そんな主人公でも許されるんじゃないかと。女の子は描いた事のないタイプにチャレンジしたかったのです。ネームを描いてるうちに当初よりはちょっと良い子になっちゃいました。
あと、私が新連載を始める前号あたりで、他の作家さんが二重人格ものを始められたので、急遽超能力設定に変更してしまいました。今となっては色々と、構想が足りなかったなぁと反省しています。毎回行き当りばったりになりました。
男の子2人は予定どおりの魅力がまぁまぁ出せたと思っていて、そこに救われました。

――『Honey Bitter』の執筆にあたって、一番苦心されるのはどういった部分ですか?

小花:悪人を描くのが難しいです。もっと読者が想像つかないようなゾッとする悪人を描けたらと思うのですが…。自分が、サイコパス心理テストとかやっても全くひっかからない、つまんないくらいの凡人だからか(笑)限界があります。狂気系のキャラが出てくる小説や映画をたくさん見ましたが、成果はありませんでした。
まあ少女漫画だし、読者さんも悪人にはそこまで求めてないかも?って思いに甘えちゃってます。

『Honey Bitter』きっての悪人、紫洞

↑珠里たちを命がけの事件へと巻き込む『Honey Bitter』きっての悪人、紫洞。充分ゾッとします、先生…!

――ちなみに、そんな創作にまつわる苦悩を支えてくれるような、「コレが欠かせない!」というアイテムはございますか?

小花:昔は「BGM」だったのですが、出産を機に作業中に音楽は聴けなくなりました。あと、漫画は関係ないけど、ふと歌う鼻唄もオンチになりました。キャパシティー不足でしょうか…。

――続いて、『Honey Bitter』と『こどものおもちゃ』がコラボした番外編『Deep Clear』についても聞かせてください。『Honey Bitter』7巻の巻末で、この番外編を執筆すると決めたきっかけはある事故だったとお話されていました。その以前に、“ぼんやりと存在した“というこの物語の構想は、どのようなきっかけで生まれたのでしょうか。

Deep Clear

↑『Deep Clear』は、『こどものおもちゃ』の世界と『Honey Bitter』の世界が交わる特別編。紗南が、オフィス・Sを訪れる所から始まる物語。

小花:『こどものおもちゃ』部分だけの構想は、もうその連載中にありました。キャラ達の将来まで考えるという自然な流れの中で。連載が終わってすぐの読み切りで、描こうか少し考えたのですが、担当と共に「いや、早い」という結論になって。その時は『水の館』を描きました。
後にクッキーで『Honey Bitter』を描き始めて、今後どんな事件を出して行こうかと色々考えた時に、『こどちゃ』の紗南が依頼人というケースを思いつきました。

ハイテンションな紗南

↑相変わらずハイテンションな紗南。そんな紗南が持ち込む依頼とは、いったい…!?

――『Deep Clear』のあとがきで、直澄の将来は『こどものおもちゃ』の連載当時すでに決めていたと書かれていましたが、そういった流れで自然と見えていたものだったんですね。剛や亜矢、風花たちの未来も非常に気になるのですが、少しだけ教えていただけませんでしょうか…?

成長してきた紗南、羽山、剛たち

↑子供時代を支え合うようにして成長してきた紗南、羽山、剛たち。…『こどものおもちゃ』、読み返したくなりますね!!

小花:ちゃんと明記してない部分は、私の中でもまだグレーです。
剛と亜矢は、とっくに(円満に)別れてそうだな〜、と思いながら描いたんですが、読者さん達は当然まだつきあってると受け取ってたので、じゃあそれでもいいかな、みたいな。

――『Honey Bitter』以外にも今後、「こんな作品を描いてみたい」などイメージがあるものがございましたら、(言える範囲で…)こっそり教えてください。

小花:正直、創作意欲はもう風前の灯なのですが、描くとしたら子供向けがいいかな、と少し思っています。子供や動物を描いてるのが一番楽しいので。

『Honey Bitter』12巻に収録された『こどちゃ』番外編

↑『Honey Bitter』12巻に収録された『こどちゃ』番外編にも、“動物”(紗南の飼い犬ごん太)と“子供”(羽山)が! …と言っても、喧嘩してますが。

小花:なのに、なんでこんな悪いオッサンがいっぱい出てくる話描いてるんでしょうね。知らんがな。
セルフツッコミにて、失礼いたします。

――セルフツッコミありがとうございます(笑)。『Honey Bitter』に話を戻しまして…最新巻ではテーマパーク編がまさにクライマックスを迎えています。先生からあらためて、13巻の見どころについて教えていただけますでしょうか。

12巻は、珠里たちがテロリストと相対した、とっても気になるところで終わっていました

↑12巻は、珠里たちがテロリストと相対した、とっても気になるところで終わっていましたが…?

小花:13巻の見どころは…どこだろう。ずっとオッサンだらけの事件だからなぁ。(笑)
とりあえず珠里の予知どおりになってしまうのかどうか、見届けていただけたらと思います。

――とりあえず一刻も早く読まなきゃ、ということですね…! 小花先生、ありがとうございました!


『Honey Bitter』を構成する、3つの魅力

インタビューを読んで、小花先生の作品世界に今一度ひたりたくなったそこのアナタのために! ここからはあらためて『Honey Bitter』の魅力をプッシュしちゃいます。

物語の主人公は、特殊能力を持って生まれた少女・珠里。その能力のひとつが、 “人の心が読める”こと。

あやしい(と思った)奴はあえて“読んでみる”

↑あやしい(と思った)奴はあえて“読んでみる”ことも。

力を持つがゆえに親にうとまれたり、人と馴染めなかったりとつらい日々を送ってきた珠里ですが、18歳になったのを機に、叔母の経営する探偵事務所「オフィス・S」で働くことになります。

叔母の経営する探偵事務所「オフィス・S」で働くことになります

でもそこには、かつてトラウマを刻まれた元カレ・吏己が!? さらに、珠里に恋する青年・陽太も加わって…!?
大小さまざまな事件に立ち向かうことで、同時に自身のトラウマにも向き合ってゆく…決して主人公に甘くないシリアスサイキックラブ、それが『Honey Bitter』の物語です。

魅力その1:まるでサスペンスドラマのような緊張感のある物語

「オフィス・S」に舞い込むのは、人探し、浮気調査、ボディーガードなど、様々な依頼。それらをスピード解決に導くのは、珠里の持つ特殊能力である読心術&予知!!

珠里の持つ特殊能力である読心術&予知

しかし、特殊能力といえども万能ではありません。まれに“心が読めない人”がいたりして、予知も自発的に行うことができなくて、しかも断片的なビジョンしか見えなかったりして…。
その上、超絶エリートだった元刑事の早穂への依頼は、難事件に発展することしばしば! 厳しい状況の中で、珠里たちはいかにして事件を解決するのか!? 手に汗握る展開は、作品の見どころの一つなのです!

要人の護衛がテロ事件に発展

↑要人の護衛がテロ事件に発展したことも! この事件は後ほど、珠里たちの未来にも大きく影響してゆき…!?

格闘アクション
格闘アクション

↑少女漫画には珍しい、ド迫力のバイクアクションや格闘アクション!

魅力その2:善意も悪意も赤裸々に! 共感しやすい“リアル”

人間の美しい面だけではなく、苦悩や欲望にまみれた一面もしっかり描くのが小花作品の特徴の一つ。だからこそリアルで共感しやすいんです。とくに『Honey Bitter』では、その特性がより際立っています。

元カレがストーカーになって脅迫したり、実子を平気で傷つけたり、財産のために殺人を犯したり…珠里たちの目を通して、読者も様々な犯罪を目の当たりにしていきます。「自分もどこかで間違えるとこうなってもおかしくないな」など、考えさせてくれるエピソードも…。

子供や女性を傷つける犯人には激しい憤りを見せる珠里
子供や女性を傷つける犯人には激しい憤りを見せる珠里

↑自身が抱えているトラウマもあってか、子供や女性を傷つける犯人には激しい憤りを見せる珠里。

事件の関係者だけじゃなく、主役たちの心の闇もなかなかのもの。
吏己は幼少期の出来事により感情が欠落した人間に成長してしまい、だから過去に付き合っていた頃の珠里に暴言と暴力をふるってしまったことも。一方珠里も、同じく家族の愛を感じられないまま成長し、さらに吏己から受けた心の傷をずっと抱えて生きてきました。

人間らしい感情を持たなかった吏己

↑人間らしい感情を持たなかった吏己。珠里を傷付けた自覚もなかった、不器用な心。

珠里は過去のトラウマに苛まれて苦しむ羽目に

↑再会してから一層、珠里は過去のトラウマに苛まれて苦しむ羽目に。

珠里も吏己も、彼らがどうやって心の闇と向き合っていくのか…!? 見逃せないポイントです。

魅力その3:片思いと断ち切れない過去で織りなす切ない三角関係

中でも『Honey Bitter』の最大の見どころはやはり珠里、陽太と吏己の三人の関係性。

り珠里、陽太と吏己の三人の関係性

珠里にとって吏己は、高校時代に付き合った“最低の元カレ”。一方そんな事情も知らずにオフィス・Sにアルバイトとして加入した陽太は、珠里大好き♡な無邪気な青年。

陽太のあたたかな愛のおかげで、珠里は徐々に過去のトラウマと向き合えるようになります。けれど同時に、昔知らなかった吏己の不器用な優しさも理解できるようになり、珠里は困惑しながら、ひたすら心を乱されることに…。

吏己を敵視せずにはいられなかった珠里
吏己を敵視せずにはいられなかった珠里

↑再会してしばらく、吏己を敵視せずにはいられなかった珠里…。

太陽みたいな男の子・陽太
太陽みたいな男の子・陽太

↑そんな珠里を励まして、苦悩に耳を傾け続けたのは太陽みたいな男の子・陽太。

陽太の気持ちが、珠里の心境にも変化を及ぼし
陽太の気持ちが、珠里の心境にも変化を及ぼし

↑どんなに突き放されても変わらない陽太の気持ちが、珠里の心境にも変化を及ぼし…?

吏己に対する憎しみから解放されていきます

↑陽太に支えられることで、吏己に対する憎しみから解放されていきます。

吏己にとってもまた珠里は、忘れられない存在のようで…!?

↑しかし、吏己にとってもまた珠里は、忘れられない存在のようで…!?

珠里の力をもってしても心を読めない吏己と、珠里に心を読まれても拒まない陽太。
暗い過去を持ち、心に大きな欠落がある吏己と、暖かい家族を持ち、素直な性格で周りからも好かれている陽太。
珠里の心を傷つけてきた吏己と、広い心で彼女を包み込んで癒す陽太。
まるで正反対のようなふたりに惹かれる珠里は、最後に一体だれを選ぶのか……これからも『Honey Bitter』の展開から目が離せません!!

目を離したら負けだと思え
目を離したら負けだと思え!

「実はまだ読んでない」という人、「読んだけど…もう1回読みたくなった!」な人も、まずは試し読みから、珠里たちの歩みをたどってみては♪

最後に、これからの『Honey Bitter』がどうなるのかを、珠里さんに予知をお願いしてみました!

珠里「は!」

珠里さんに予知をお願い
//珠里「8月25日発売の『Honey Bitter』13巻を読めばわかる!!」\\

おまけ★珠里さんの白目コーナー★

珠里さんの白目
珠里さんの白目
珠里さんの白目
珠里さんの白目

これだけ白目をむくヒロインって、かの有名な演劇漫画以外『Honey Bitter』にしかいない!! …たぶん。

文章/みゆきゆう

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